![]() ディーゼル燃料への増粘性成分の使用
专利摘要:
ディーゼル燃料組成物が導入されるターボ過給式ディーゼルエンジンの低エンジン速度(例えば2200rpm以下)での加速性能を向上するため、ディーゼル燃料組成物に増粘性成分を使用する方法。この使用法は、低エンジン速度で加速する際、ターボ過給器がその最大速度に達する時点でエンジン速度を低下させるため、或いはターボ過給器がその最大速度に達するのにかかる時間を短縮するためであってよい。この使用法は、他の原因による加速性能の低下を軽減できる。得られた燃料組成物のVK 40は、好適には2.8mm2/s(cSt)以上である。増粘性成分は、特にフィッシャー・トロプシュ誘導成分、油又は脂肪酸アルキルエステルであってよい。密度増大性成分を増粘生成分と共に燃料組成物に使用してよい。なし 公开号:JP2011508036A 申请号:JP2010540106 申请日:2008-12-19 公开日:2011-03-10 发明作者:イアン・リチャード・バッテリー;ユールゲン・ヨハンネス・ヤコブス・ルイス;ロドニー・グリン・ウイリアムズ 申请人:シエル・インターナシヨネイル・リサーチ・マーチヤツピイ・ベー・ウイShell Internationale Research Maatschappij Besloten Vennootshap; IPC主号:C10L1-08
专利说明:
[0001] 本発明は特定種のディーゼル燃料成分の新規な使用方法(use)及びターボ過給式ディーゼルエンジンの性能を向上する方法に関する。] 背景技術 [0002] 多くのディーゼル出力車両のエンジンはターボ過給器を備えている。ターボ過給器は燃焼シリンダーに入る空気の量を増大させて、エンジンの出力を向上する。ターボ過給器の操作は、通常、車両のエンジン管理システムにより調整される。] [0003] ディーゼルエンジンに導入されるディーゼル燃料の含有量及び/又は特性を最適化することにより、余り高級ではないディーゼルエンジンで性能を向上できることが多かったが、現代のターボ過給式エンジンでは、エンジン管理システムが燃料の吸入変化を補償するようにプログラムされているので、燃料配合物により性能を向上するための選択肢は一層制限される傾向がある。] [0004] WO−A−2005/054411には、車両牽引力(VTE)及び/又はディーゼル燃料組成物が導入されるディーゼルエンジンの加速性能を向上する目的で、ディーゼル燃料組成物に増粘性(粘度増大性)成分を使用する方法が記載されている。この文献は、ターボ過給式及び非ターボ過給式の両エンジンについて、約1300rpmからそれ以上のエンジン速度範囲に亘る平均ワイドオープンスロットル(WOT)加速時間の向上、及び2000rpm以上の一定のエンジン速度で定常状態の車両牽引力(VTE)試験の向上を例示している。しかし、低エンジン速度での加速性能の改良については特に言及していない。運転者が加速応答の向上に一層気づき易かった可能性がある場合、未だ低速度である。] 発明が解決しようとする課題 [0005] エンジン自体を構造的又は操作的に変化させるよりも、ターボ過給式ディーゼルエンジンに導入するディーゼル燃料の組成及び/又は特性を変化させる方が一層簡単で融通性があり、かつコスト効果的である道筋を提供することが期待できるので、このような変化によりターボ過給式ディーゼルエンジンの性能を更に改良できることが望ましい。] 課題を解決するための手段 [0006] 本発明の第一の局面では、ディーゼル燃料組成物を導入するか、又は導入すべきターボ過給式ディーゼルエンジン又はこのようなエンジンを動力とする車両の低エンジン速度での加速性能を増大する、即ち、改良する目的で、ディーゼル燃料組成物に増粘性成分を使用する方法が提供される。] [0007] “ディーゼルエンジン”とは、ディーゼル燃料で運行する(run)ように適応させた圧縮点火内燃機関を意味する。 “ターボ過給式ディーゼルエンジン”とは、通常、電子エンジン管理システムの制御下でターボ過給器を介して出力を供給する(powered)ディーゼルエンジンを意味する。] [0008] “加速性能”は、一般にスロットルの増大に対するエンジンの応答性、例えばエンジンがいずれかの所定の速度から加速する割合(rate)を含む。“低エンジン速度”は、一般に2200rpm以下、特に2000rpm以下、例えば500〜2200rpm又は1200〜2000rpmの速度を意味する。“低エンジン速度”は、ターボ過給器の操作を制御するエンジン管理システムがターボ過給器によって付与された増幅(boost)を制限し始める、及び/又はエンジンの装入空気圧を調整し始めるレベルより低いエンジン速度であってよい。] [0009] エンジン管理システムの制御下でさえ、高粘度燃料はターボ過給式ディーゼルエンジンに性能上の利得(performance benefit)をもたらし、しかもこれらの利得は、高速度の場合よりも低エンジン速度(例えば前述の範囲で)で著しく大きいことが意外にも見出された。これはWO−A−2005/054411の一般に高速度のデータからは決して予測できるものではない。これらのデータはVTE数値(figures)の場合、固定速度で得られ、またWOT加速時間の場合、3500rpm以下又はそれ以上のエンジン速度に亘って平均化されている。本発明で得られる性能上の利点は、ターボ過給器の立ち上げ(ramp-up)、即ち、低速度範囲で加速する際に観察される過渡的な効果に影響を与えることができるのに対し、WO−A−2005/054411に記載された研究は、定常状態のエンジン条件に多く向けたものである。] [0010] 高粘度燃料は、例えば燃料の噴射に対し有害な影響を与え、これにより燃料の蒸発速度が低下し、更には出力低下(loss)が生じ、及び/又は燃料噴射装置においてポンプ損失が増大し、こうして、ディーゼルエンジンの性能が損なわれる可能性があることも予想できた。その代わり、ディーゼル燃料の粘度を上げることによる利得は、このような潜在的に有害な効果のいずれも蹂躙できることが見出された。] [0011] 引続く研究により、高粘度燃料はターボ過給器を一層速い回転速度に上げ、こうして低エンジン速度で過給器の最大速度に達するという推論が得られた。現代のターボ過給式ディーゼルエンジンでは、ターボ過給器の速度は、荷重及びエンジン速度の増大に応じて、所定の最大ターボ過給器速度に達するまで、加速する。低エンジン速度で更に迅速に増大するターボ過給器速度に従って、エンジンに“早めの”増幅を行うと、今度は低エンジン速度での加速性能に識別可能の向上が生じる。この向上は、運転者が早い“吊上げ(pick-up)”又は加速応答として経験する。] [0012] エンジン管理システム(EMS)は、幾つかの場合、この効果を強化できることが見出された。完全荷重の加速下で高粘度燃料を使用すると、燃料の噴射量が増大し、したがって、ターボ過給器を駆動する排気ガス中に多くのエネルギーが保留される。その結果、次いでエンジンに高圧の空気が入り、したがって、空気吸入装入量が増大する。エンジン管理システムは、多くの燃料を噴射することにより、これに反応し易くなり、こうして、ターボ過給器をなお一層早く駆動する。この積極的なフィードバックループは、ターボ過給器がその最大速度に達すると、停止され、次いでエンジン管理システムは、増幅を制限すると共に、装入空気圧を調整するため、制御を行う。これらの効果は、高粘度の燃料を用いて観察された性能上の利得が低エンジン速度で拡大できる理由を説明するものと考えられる。これに対し、高エンジン速度では装入空気圧は、EMSにより一層綿密に制御され、そうすると、高粘度燃料の性能上の利得は低下するかも知れない、及び/又は該利得の検出容易性は低下するかも知れない。] [0013] こうして、本発明は、低エンジン速度でのターボ過給器の性能、通常は、単に増粘性成分含有燃料組成物の特性に基づいて予測できた性能よりも向上した(greater)程度に増幅するのに使用できる。] [0014] 本発明は好適には、加速した際、ターボ過給器がその最大速度に達した時点のエンジン速度を低下させる目的で、ターボ過給器がその速度を上げた(特に低エンジン速度において)時点の速度(rate)を上げる目的、或いはターボ過給器がその最大速度に達するのにかかる時間を短縮する目的で、増粘性成分を使用する方法を含む。] [0015] エンジン速度は、制御下の加速試験中、エンジン管理システムの質問により都合良く測定できる。或いは動力計を用いて測定してもよい。このような試験は、通常、ワイドオープンスロットルで行われる。この試験は、例えば以下の例で説明するように、低エンジン速度〜高エンジン速度の範囲の固定割合(rate)でエンジンを加速する工程を含む。] [0016] ターボ過給器の速度は、エンジンの空気吸入圧(即ち、ターボ過給器からの増幅圧)に関連し、慣用の圧力センサーを用いるか、或いは幾つかの場合は、エンジン管理システムの質問により、通常は前述のような試験を用いて測定できる。こうして、今度はターボ過給器がその最大速度に達した時点の測定が可能となるか、或いはターボ過給器の速度増大の割合(rate)の測定が可能となる。] [0017] 加速性能は、道路での試験下、エンジンを動力とする車両を、例えば0〜100km/時間に加速する、好適には経験した運転者により評価してもよい。この車両は、加速性能の変化をエンジン速度と関連可能にするため、エンジン速度計のような適当な器具を備えなければならない。] [0018] このようなターボ過給器の加速割合の増大の他の結果は、エンジンが更に早く最大トルクに達することである。したがって、増粘性成分は、加速した際、エンジンがその最大トルクに達するのにかかる時間を短縮する目的で、エンジンがその最大トルクに達する割合を増大する目的で、或いはエンジンがその最大トルクに達するエンジン速度を低下させる目的で、使用してよい。] [0019] 更に一般的には、増粘性成分は、いずれの所定速度においても低エンジン速度範囲内でエンジントルクを増大させるのに使用してよい。 エンジントルクは、試験下のエンジンを動力とする車両の車輪により動力計上に加えた力から誘導してよい。好適には専用の器具(例えばKistlerTMPoaDynTM)を用いて、このような車両の車輪から直接、測定してよい。] [0020] 本発明の増粘性成分を用いた更に別の結果は、エンジン装入空気圧が更に早く最大レベル(EMSが装入空気圧の調整に入る前に)に達することである。したがって、増粘性成分は、加速した際、装入空気圧が最大値に達するのにかかる時間を短縮する目的で、或いは装入空気圧が最大値に達するエンジン速度を低下させる目的で、使用してよい。この成分は、エンジン管理システムが装入空気圧を調整し始めるエンジン速度を低下させるか、或いはこのような調整を始めるのにかかる時間を短縮する目的で使用してよい。] [0021] 装入空気圧は、市販の圧力センサー、ターボ過給器の直ぐ下流、例えば試験下のエンジンを動力とする車両の吸入進路に配置した圧力センサーを用いて測定できる。] [0022] 本発明は、ターボ過給式ディーゼルエンジン又はこのようなエンジンを動力とする車両の低速度加速性能の改良に使用する方法である。低速度加速性能は、エンジンを加速し、エンジン速度、エンジントルク、空気装入圧及び/又はターボ過給器速度の経時変化を監視することにより、評価できる。この評価は、好適には或る範囲のエンジン速度、例えば1200〜2000rpm又は1400〜1900rpmの範囲に亘って行ってよい。] [0023] 一般に、低速度加速性能の向上は、加速時間の短縮、及び/又は前述した効果のいずれか1つ以上、例えばエンジントルク又はターボ過給器速度の増大の早さ、或いはいずれかの所定速度でのエンジントルクの増大により明示できる。] [0024] 本発明に関連して、低速度加速性能の“向上(又は改良)”は、いかなる程度の向上(又は改良)も包含する、同様に、測定したパラメーター(例えばターボ過給器がその最大速度に達するのにかかる時間)の低下(又は減少又は短縮)或いは増大(又は上昇又は向上)は、場合によるが、いかなる程度の低下(又は減少又は短縮)或いは増大(又は上昇又は向上)も包含する。場合によるが、この改良、低下又は増大は、増粘性成分を導入する前の燃料組成物を使用した場合、又は低粘度の他の類似の燃料組成物を用いた場合、の関連するパラメーターと比較してよい。この改良、低下又は増大は、ターボ過給式ディーゼルエンジンに使用することを意図した(例えば市販する)燃料組成物であって、増粘性成分を添加する前の該燃料組成物で同じエンジンを操作(run)した場合に測定した関連パラメーターと比較してよい。] [0025] 本発明は例えば、所望の目標に適合させるため、増粘性成分により、ディーゼル燃料組成物の特性及び/又は性能及び/又は効果、特にターボ過給式ディーゼルエンジンの低速度加速性能に対する効果を調節する工程を含んでよい。] [0026] WO−A−2005/054411(特に第3頁第22行〜第4頁第17行参照)に記載されるように、低速度加速性能の向上は、他の原因により、特にディーゼル燃料組成物中に含まれる他の燃料成分又は添加剤により、加速性能の低下、即ち、劣化を、少なくとも或る程度まで、緩和することも包含してよい。一例として、燃料組成物は、組成物の燃焼時に発生する放出物のレベルが低下するよう、組成物全体の密度を低下させることを意図した1種以上の成分を含有してよい。密度の低下により、エンジンの出力低下が生じる可能性があるが、この効果は、本発明に従って増粘性成分を使用すれば、克服できるか、或いは少なくとも緩和できる。] [0027] 低速度加速性能の向上は、酸素化成分含有燃料(例えば、いわゆる“バイオ燃料”)を使用するか、或いはエンジン中(通常は燃料噴射器中)に燃焼関連付着物を堆積する等、他の理由で低下した加速性能を、少なくとも部分的に、回復させることも包含してよい。] [0028] エンジン管理システムが装入空気圧を調整し始めるエンジン速度(ターボ過給器がその最大速度に達すると共に、装入空気圧が最大値に達するエンジン速度であってもよい)を低下させるために、本発明を使用する場合、この低下は、例えば5rpm以上、好ましくは10rpm以上、又は15、20、25、50、75又は80rpm以上、場合によっては約100rpm以下であってよい。前述のような積極的なフィードバックループにより、これらのエンジン速度での比較的小さい低下により、エンジンの出力、トルク及び一般的な加速性能に比較的大きな差異が生じ得る。関連するエンジン速度の低下は、0.25%以上、好ましくは0.50%以上、又は0.75、1、1.25、1.5、2、3又は4%以上、場合によっては約5%以下であってよい。] [0029] 加速時間中、所定のエンジン速度でエンジントルクを増大させるために本発明を使用する場合、この増大は、増粘性成分の導入前の燃料組成物でエンジンを操作した場合、及び/又は低粘度の他の類似のディーゼル燃料組成物でエンジンを操作した場合、に得られたトルクに比べて、0.5%以上、好ましくは1、2又は3%以上であってよい。この増大は、増粘性成分を添加する前の、ターボ過給式ディーゼルエンジンに使用することを意図した(例えば市販する)他の類似のディーゼル燃料組成物で同じエンジンを操作した場合の関連速度でのエンジントルクと比較してよい。] [0030] 加速時間中(即ち、ターボ過給器の立ち上げ中)、所定のエンジン速度でターボ過給器増幅圧を増大させるために本発明を使用する場合、この増大は、増粘性成分の導入前の燃料組成物でエンジンを操作した場合、及び/又は低粘度の他の類似のディーゼル燃料組成物でエンジンを操作した場合、に得られた増幅圧に比べて、0.5%以上、好ましくは1又は1.5又は2%以上であってよい。この増大は、増粘性成分を添加する前の、ターボ過給式ディーゼルエンジンに使用することを意図した(例えば市販する)他の類似のディーゼル燃料組成物で同じエンジンを操作した場合の関連速度でのターボ過給器増幅圧と比較してよい。] [0031] 本発明では増粘性成分は、低エンジン速度でエンジンの出力発現を改良するのに使用してよい。換言すれば、エンジンが特定の速度範囲、例えば1200〜1900rpm(又は例えば第四ギアで40〜60km/時間)中で加速する際、平均エンジン出力を上げるのに使用してよい。増粘性成分を使用すると、単に燃料特性に関連した変化から予測した出力利得よりも遥かに高い出力利得が生じることが見出された。] [0032] エンジン出力は、当該技術分野で知られているように、エンジントルク値及びエンジン速度値から好適に誘導できる。 増粘性成分は、ターボ過給式ディーゼルエンジンに対し、いずれの所定速度においても、特に低エンジン速度で、エンジンの出力又はトルク、装入空気圧及び/又は燃料の噴射容量を増大する目的で、使用してもよい。] [0033] 高密度燃料を使用しても、前述と同様の方法で、低エンジン速度での加速性能を向上できる。特に高粘度を高密度と併用すると、以下に詳細に説明するように、この方法でエンジン性能を向上できる。] [0034] 本発明に従って増粘性成分を使用したディーゼル燃料組成物は、ディーゼルエンジンに使用するのに好適ないかなる種類のディーゼル燃料組成物であってもよい。] [0035] この組成物は、ターボ過給器を備えたいかなる種類の圧縮点火エンジンに使用するのに好適であってよい、及び/又は適応してよい、及び/又は該使用を意図してよい。この種のエンジンは、直接噴射(DI)ディーゼルエンジン、例えばロータリーポンプ、インラインポンプ、ユニットポンプ、電子ユニット噴射器又は共通レール型のもの、或いは間接噴射(IDI)ディーゼルエンジンのどちらかである。この組成物は、重質ディーゼルエンジン及び/又は軽質ディーゼルエンジンに使用するのに好適であってよい、及び/又は適応してよい、及び/又は該使用を意図してよい。] [0036] 本発明は、特に例えば15〜250MPaの範囲の圧力で操作する、IDIエンジン、及び/又は高速度(HSDI)、高圧・高速(HP−HSDI)、共通レール(CRDI)又は電子ユニット(EUDI)直接噴射エンジンに利用可能であってよい。一実施態様では本発明はIDI又はEUDIに利用可能である。] [0037] 本発明で製造されるディーゼル燃料組成物は、増粘性成分の他、従来型の1種以上のディーゼル燃料成分を含有してよい。このような成分は、通常、液体炭化水素中間蒸留物燃料油、例えば石油誘導ガス油を含有する。一般にこのような燃料成分は、有機的に又は合成的に誘導されてよく、好適には原油から所望範囲のフラクションを蒸留して得られる。これらのフラクションは、一般に150〜410℃又は170〜370℃の通常のディーゼル範囲内の沸点を有する。通常、燃料組成物は重質炭化水素を分割して得られる1種以上の分解生成物を含有する。] [0038] 石油誘導ガス油は、例えば原油源を精製し、任意に(水素化)処理して得られる。このガス油は、このような精製法で得られる単独ガス油流であってもよいし、この精製法で異なる処理過程を経て得られる数種のガス油フラクションのブレンドであってもよい。このようなガス油フラクションの例は、直留ガス油、減圧ガス油、熱分解法で得られるようなガス油、流動接触分解ユニットで得られるような軽質及び重質循環油、及び水素化分解ユニットから得られるようなガス油である。任意に石油誘導ガス油は若干の石油誘導ケロシンフラクションを含有してよい。] [0039] このようなガス油は、硫黄含有量をディーゼル燃料組成物中に含有するのに好適なレベルまで低下させるように、水素化脱硫ユニット(HDS)中で処理してよい。] [0040] 本発明により製造した燃料組成物において、ベース燃料自体、前述のような種類の2種以上のディーゼル燃料成分の混合物を含有してよい。ベース燃料は、更に植物油又は植物油誘導体(例えば脂肪酸エステル、特に脂肪酸メチルエステル)、或いは酸、ケトン又はエステルのような他の酸素化物のようないわゆる“バイオディーゼル”燃料成分であっても或いは含有してもよい。このような成分は必ずしもバイオ誘導されている必要はない。ベース燃料は水素化植物油から誘導された燃料を含有してもよい。] [0041] ベース燃料はフィッシャー・トロプシュ誘導燃料、特にフィッシャー・トロプシュ誘導ガス油を含有してよい。 本発明により製造した組成物に含まれるディーゼル燃料成分は、通常、密度(例えばASTMD−4502)が15℃で0.750〜0.900g/cm3、好ましくは0.800〜0.860g/cm3、及び/又はVK 40(40℃での動粘度、ASTM D445)が1.5〜6.0mm2/s(cSt)である。密度及び粘度は、芳香族及びパラフィン含有量が類似の組成物によって、蒸留物燃料に対し強力に相関される。これは、所望通りに増大又は低下した粘度によりディーゼル燃料成分を選択することは、密度の対応する上昇又は低下を包含する(imply)傾向があることを意味する。] [0042] 本発明を実施して得られる自動車用ディーゼル燃料組成物は、適用可能な現在の標準規格、例えばEN−590(ヨーロッパ用)又はASTMD−975(米国用)に好適に従う。例えばこの燃料組成物全体は、密度(ASTM D−4052)が15℃で0.82〜0.845g/cm3、T95沸点(ASTM D86)が360℃以下、測定セタン価(ASTM D−613)が51以上、VK 40(ASTM D445)が2〜4.5mm2/s(cSt)、硫黄含有量(ASTM D−2622)が50mg/kg以下、及び/又は多環式芳香族(PAH)含有量(IP 391(様式))が11%m/m未満であってよい。しかし、関連規格は、国により、また年度により異なってもよく、また燃料組成物の意図する用途に依存してもよい。] [0043] ブレンド全体の特性は個々の成分の特性とは異なってもよいことが多いので、本発明により製造したディーゼル燃料組成物は、前記範囲外の特性を有する燃料成分を含有してよい。] [0044] 本発明により製造したディーゼル燃料組成物は、硫黄を好適には5000ppmw(100万重量部当たり部)以下、通常は2000〜5000ppmw又は1000〜2000ppmw、或いは1000ppmw以下、含有する。この燃料組成物は、例えば低硫黄又は超低硫黄燃料、或いは硫黄を含有しない燃料、例えば硫黄含有量が500ppmw以下、好ましくは350ppmw以下、最も好ましくは100又は50ppmw以下、更には10ppmw以下の燃料であってよい。 この組成物には、当該技術分野で公知のように、例えば後述するような添加剤を添加してよい。] [0045] 本発明により製造したディーゼル燃料組成物のVK 40は、増粘性成分の存在により、好適には2.7又は2.8mm2/s(cSt)以上、好ましくは2.9、3.0、3.1、3.2、3.3又は3.4mm2/s(cSt)以上、場合によっては3.5、3.6、3.7、3.8、3.9又は4mm2/s(cSt)以上であってよい。このVK 40は、4.5、4.4又は4.3mm2/s(cSt)以下であってよい。明細書中で粘度とは、特記しない限り、動粘度を意味することを意図する。] [0046] ディーゼル燃料組成物の最大粘度は、関連する法律及び/又は商用規格で制限されることが多いかも知れない。例えばヨーロッパディーゼル燃料規格EN−590は、40℃での最大動粘度(VK 40)を4.5mm2/s(cSt)に規定し、一方、スウェーデンのクラス1ディーゼル燃料のVK 40は、4.0mm2/s(cSt)以下である。しかし、通常の商用自動車ディーゼル燃料は、現在、約2〜3mm2/s(cSt)のように、前記値より遥かに低い粘度で製造されている。したがって、本発明は、ディーゼル燃料組成物が導入されるターボ過給式エンジンの低速度加速性能を向上するようにディーゼル燃料組成物の粘度を増大するため、他の標準的規格のディーゼル燃料組成物の処理(manipulation)を含んでよい。] [0047] 本発明により製造したディーゼル燃料組成物は、例えばWO−A−2005/054411(この文献はここに援用する)に記載されるような組成物であってよい。] [0048] 本発明に使用される増粘性成分は、該成分を含むディーゼル燃料組成物の動粘度を増大できるいかなる成分であってもよい。したがって、この成分は、ディーゼル燃料組成物に導入する前の燃料組成物の動粘度より高い動粘度を持っていなければならない。この成分自体が、高粘度、例えば後述する範囲内の粘度になるように配合された燃料成分であってよい。] [0049] 増粘性成分をディーゼル燃料組成物に導入すると、組成物のVK 40を、好適には0.1mm2/s(cSt)以上、好ましくは0.2、0.25、0.3、0.4又は0.5mm2/s(cSt)以上、更に好ましくは0.6、0.7、0.8、0.9又は1mm2/s(cSt)以上、場合によっては1.2、1.5、1.8又は2mm2/s(cSt)以上、増大させる。] [0050] 本発明に関連して、ディーゼル燃料組成物に増粘性成分を“使用すること(use)”とは、該組成物に増粘性成分を、通常、1種以上の他のディーゼル燃料成分及び任意に1種以上の添加剤とのブレンド(即ち、物理的混合物)として、該組成物に導入することを意味する。増粘性成分は、燃料組成物を、該組成物で操作(run)すべき内燃機関又はその他のシステムに導入する前に、導入することが都合良い。その代わりに又は更に、前記使用することは、通常、増粘性成分含有燃料組成物をエンジンのような燃料消費性システムの燃焼室に導入することにより、このようなシステムを該燃料組成物で操作することを含んでよい。] [0051] 本発明に従って、増粘性成分を“使用すること”とは、前述した目的の1つ以上を達成するため、特に燃料組成物が導入されるターボ過給式ディーゼルエンジンの低速度加速性能を向上するため、ディーゼル燃料組成物に使用するようにとの指令と一緒に、このような成分を供給することを包含してもよい。] [0052] 増粘性成分は、ディーゼル燃料組成物の一部分として効率的にブレンドでき、かつ効率的に機能できるようにするため、関連するディーゼル燃料規格に好適に適合可能である。したがって、この成分自体がディーゼル燃料として使用するのに好適である必要はなく、該成分を含有する燃料組成物全体がこのような方法で使用するのに好適であることだけである。しかし、好適には増粘性成分は、ディーゼル燃料の規格、例えばEN−590に適合する沸点範囲を有する。粘度の増大に役立つ可能性がある幾つかの高粘度油は、通常のディーゼル燃料規格を超える沸点範囲を有するので、本発明で使用するには余り好適ではないかも知れない。] [0053] したがって、増粘性成分(又はその大部分、例えば95%w/w以上)の構成成分(constituents)は、通常のディーゼル燃料(“ガス油”)範囲の沸点、即ち、高い方の沸点範囲の油では約150〜490℃、低い方の沸点範囲の油では約170〜415℃の沸点を有する。これら構成成分の90%w/w蒸留温度は300〜470℃、又は300〜400℃である。沸点範囲は、例えば標準試験法ASTMD−86又はEN ISO 3405を用いて測定できる。] [0054] 増粘性成分は、好適には炭素及び水素だけを含有する化合物を含むか、或いは更に好ましくは該化合物で本質的に構成される。硫黄含有化合物のような汚染物も限定量で存在してよい。前記構成成分の好ましくは80%w/w以上、更に好ましくは90%w/w以上は炭素及び水素のみからなる化合物である。 増粘性成分は、特にフィッシャー・トロプシュ誘導燃料成分、油、及びそれらの混合物から選択してよい。] [0055] 本発明に関連して、用語“フィッシャー・トロプシュ誘導”とは、材料がフィッシャー・トロプシュ縮合法の合成生成物又はその誘導体であることを意味する。用語“非フィッシャー・トロプシュ誘導”は、これに従って解釈してよい。したがって、フィッシャー・トロプシュ誘導燃料又は燃料成分は、添加した水素を除く実質部分がフィッシャー・トロプシュ縮合法から直接又は間接的に誘導された炭化水素流である。] [0056] フィッシャー・トロプシュ反応は、一酸化炭素及び水素を適当な触媒の存在下、通常、高温(例えば125〜300℃、好ましくは175〜250℃)及び/又は高圧(例えば0.5〜10MPa、好ましくは1.2〜5MPa)で長鎖の、通常、パラフィン系の、炭化水素: n(CO+2H2)=(−CH2−)n+nH2O+熱 に転化させる。所望ならば、2:1以外の水素:一酸化炭素比を採用してよい。] [0057] 一酸化炭素及び水素自体は、有機又は無機、天然又は合成の供給源、通常、天然ガス又は有機的に誘導したメタンのいずれからも誘導できる。] [0058] 本発明で使用される増粘性成分は、精製又はフィッシャー・トロプシュ反応から直接得てもよいし、或いは例えば精製又は合成生成物の精留又は水素化処理して精留生成物又は水素化処理生成物を生成することにより、精製又はフィッシャー・トロプシュ反応から間接的に得てもよい。水素化処理は、沸点範囲を調節するため、水素化分解工程(例えばGB−B−2077289、EP−A−0147873参照)及び/又は分岐パラフィンの割合増大により常温流れ特性の向上が可能な水素化異性化工程を含むことができる。EP−A−0583836には2段階水素化処理法が記載されている。この方法は、まずフィッシャー・トロプシュ合成生成物に対し、実質的に異性化又は水素化分解(オレフィン性成分及び酸素含有成分を水素化する)を受けないような条件下で水素化転化を行ない、次いで得られた生成物の少なくとも一部を、水素化分解又は水素化異性化が起こって実質的にパラフィン系の炭化水素燃料が生成するような条件下で水素化転化するというものである。次に、所望のフラクション、通常、ガス油フラクションは、例えば蒸留により単離できる。] [0059] フィッシャー・トロプシュ縮合生成物の特性を改質するため、例えばUS−A−4125566やUS−A−4478955に記載されるように、重合、アルキル化、蒸留、分解−脱カルボキシル化、異性化、水素化改質等、その他の後合成処理も採用できる。] [0060] パラフィン性炭化水素のフィッシャー・トロプシュ合成用の一般的な触媒は、触媒活性成分として周期表第VIII族金属、特にルテニウム、鉄、コバルト又はニッケルを含有する。好適なこの種の触媒は、例えばEP−A−0583836に記載されている。] [0061] フィッシャー・トロプシュの基本法の一例は、ShellTM“Gas−to−Liquid(ガス・ツウ・リキッド)”又は“GtL”技術(以前はSMDS(Shell Middle Distillate Synthesis(シェル中間蒸留物合成)として知られ、第5回Synfuels Worldwide Symposium,Washington DC、1985年11月での論文:van der Burgt等,“The Shell Middle Distillate Synthesis Process(シェル中間蒸留物合成法)”(Shell International Petroleum Company Ltd.,London,UKの同表題の1989年11月刊行物も参照)に記載されている。後者の場合、水素化転化法の好ましい特徴は、前記文献に開示されたとおりであってよい。この方法は、天然ガスを重質長鎖炭化水素(パラフィン)蝋に転化することにより、中間蒸留物範囲の生成物を生成する。転化後、炭化水素蝋は、引き続き水素化転化し、精留できる。] [0062] 本発明で使用されるフィッシャー・トロプシュ誘導燃料成分(以下、GtL成分)は、ガス・ツウ・リキッド合成から誘導されたいかなる好適な成分も、或いは例えばガス、バイオマス又は石炭を液体に転化する類似のフィッシャー・トロプシュ合成から誘導した成分(以下、XtL成分)も好ましい。フィッシャー・トロプシュ誘導成分はXtL成分が好ましい。一般に好適なXtL成分は、当該技術分野で知られているように、例えばケロシン、ディーゼル及びガス油フラクションから選ばれた中間蒸留物燃料成分であってよい。このような成分は、包括的に合成法燃料又は合成法油として分類してよい。好ましくは、増粘性成分として使用されるXtL成分はガス油である。] [0063] 油は鉱油又は合成油、即ち、鉱物又は合成起源のもの又はそれらの組合わせであってよい。油自体は、フィッシャー・トロプシュ誘導されたもの、例えばフィッシャー・トロプシュ誘導基油であってよい。 鉱油は、好適には鉱物潤滑油及び鉱物プロセス油から選択される。] [0064] 鉱物潤滑油及び鉱物プロセス油は液体石油を含有する、及び/又は溶剤精製、酸処理又は(厳密な)水素化処理(例えば水素化分解又は水素化仕上げ)により製造され、溶剤又は接触法により脱蝋してよい。鉱物潤滑油は、シェル社から“HVI”又は“MVIN”の名称で販売されている。] [0065] 合成油は、いかなる合成潤滑油、即ち、合成起源の潤滑油から選択してよい。合成潤滑油は公知か、又は市販され、蝋の水素化異性化により製造された種類、例えばシェル社から“XHVI”TMの名称で販売されているもの;及びC10〜C50炭化水素重合体及び共重合体、例えばα−オレフィンの液体重合体及び共重合体並びに慣用のエステル、例えばポリオールエステルが含まれる。合成潤滑油は、オクテン−1/デセン−1共重合体のようなα−オレフィンオリゴマー;ジ−2−エチルヘキシルセバケートのようなジカルボン酸エステル;トリメチロールプロパンカプリレート及びペンタエリスリトールカプロエートのようなヒンダードエステル油;及びポリグリコール油、シリコーン油、ポリフェニルエーテル油、ハロゲン化炭化水素油及びアルキルベンゼン油のような他の各種合成油から選択するのが好ましい。] [0066] 増粘性成分は、ディーゼル燃料組成物に使用した場合よりも高い粘度を有する標準のディーゼル燃料成分(石油誘導又はフィッシャー・トロプシュ誘導のいずれか)であってよい。 増粘性成分は、植物油、例えば獣脂(tallow)油、菜種油、パーム油又は大豆油であってよい。] [0067] 増粘性成分は脂肪酸アルキルエステル(FAAE)、例えば脂肪酸メチルエステル(FAME)であってよい。このような成分は更新可能のディーゼル燃料成分(いわゆる“バイオディーゼル”)として既に知られている。これらの成分は、各々一端にアルコール分子が結合した長鎖カルボン酸分子(一般に炭素原子数10〜22の鎖長)を含有する。植物油(リサイクルした植物油を含む)のような有機的に誘導した油や動物油に対して、アルコール(通常、C1〜C5アルコール)でエステル交換法を行って、通常、モノアルキル化した対応する脂肪エステルを形成することができる。この方法は、好適には酸で触媒するか又は塩基KOHのような塩基で触媒して行われ、油のトリグリセロール主鎖から油の脂肪酸成分を分離することにより、油中に含まれるトリグリセリドを脂肪酸エステル及び遊離グリセロールに転化する。] [0068] FAAEは、いかなるアルキル化脂肪酸又は脂肪酸の混合物であってもよい。FAAEの脂肪酸成分は、好ましくは生物学源、更に好ましくは植物源から誘導される。脂肪酸成分は飽和されていても飽和されていなくてもよい。後者の場合、脂肪酸成分は1つ以上の二重結合を有してよい。脂肪酸成分は分岐していても分岐していなくてもよい。脂肪酸成分は、酸基−CO2Hの他に、好適には10〜30、更に好適には10〜22又は12〜22の炭素原子を有する。FAAEは、通常、FAAE源により、異なる鎖長を有する異なる脂肪酸エステルの混合物の混合物である。例えば普通に入手できる菜種油は、パルミチン酸(C16)、ステアリン酸(C18)、オレイン酸、リノール酸及びリノレン酸(C18で、それぞれ1つ、2つ及び3つの不飽和炭素−炭素結合を有する)、並びに時にはエルカ酸の混合物を含有し、これらの酸のうち、オレイン酸及びリノール酸は主要割合を形成する。大豆油は、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸及びリノレン酸の混合物を含有する。パーム油は、通常、パルミチン酸、ステアリン酸及びリノール酸成分の混合物を含有する。] [0069] 本発明で使用されるFAAEは、天然脂肪油、例えば菜種油、大豆油、ヤシ油、ヒマワリ油、パーム油、ピーナッツ油、アマニ油、椿油、サフラワー油、ババスーヤシ油、獣脂油又は米糠油のような植物油から誘導することが好ましい。FAAEは、特に菜種油、大豆油、ヤシ油又はパーム油のアルキルエステル(好適にはメチルエステル)であってよい。] [0070] FAAEは、好ましくはC1〜C5アルキルエステル、更に好ましくはメチル、エチル又はプロピル(好適にはイソプロピル)エステル、なお更に好ましくはメチル又はエチルエステル、特にメチルエステルである。] [0071] FAAEは、例えば菜種メチルエステル(RME、菜種油メチルエステルとしても知られている)、大豆メチルエステル(SME)、パーム油メチルエステル(POME)、ヤシメチルエステル(CME)及び対応するエチルエステル、並びにそれらの混合物よりなる群から選択してよい。菜種メチルエステル、大豆メチルエステル、パーム油メチルエステル及び対応するエチルエステル、並びにそれらの混合物よりなる群から選択してよい。一般に天然又は合成の精製又は未精製(“粗製”)であってよい。幾つかの場合は、高粘度エチルエステルが好ましいかも知れない。] [0072] 一般にFAAEにとっては、ディーゼル燃料として使用される脂肪酸メチルエステルについてのヨーロッパ規格EN 14214に適合することが好ましいかも知れない。 増粘性成分のVK 40(ASTMD−445)は2〜500mm2/s(cSt)、好ましくは3.5〜500mm2/s(cSt)、更に好ましくは10〜200mm2/s(cSt)、なお更に好ましくは8、10又は20〜100mm2/s(cSt)の範囲が好ましい。] [0073] 適度に高い粘度成分のVK 40は、3.5〜45mm2/s(cSt)又は6〜45mm2/s(cSt)、例えば12〜40mm2/s(cSt)又は15〜35mm2/s(cSt)であってよい。高い粘度成分のVK 40は、45〜200mm2/s(cSt)であってよい。他の増粘性成分のVK 40は、3.5〜6mm2/s(cSt)又は3.5〜5.5mm2/s(cSt)であってよい。] [0074] 以下に定義するような燃料又は燃料成分となり得る特に好適なフィッシャー・トロプシュ誘導(XtL)増粘性成分は、例えばVK 40(ASTMD−445)が3〜200mm2/s(cSt)、15℃での密度(ASTM D−4052)が0.76〜0.83g/cm3であってよい。高粘度の合成フィッシャー・トロプシュ誘導油は、特に増粘性成分として使用できる。] [0075] 増粘性成分として使用するのに特に好適な鉱物プロセス油又は潤滑油は、例えばVK 40が18〜22mm2/s(cSt)、及び/又は15℃での密度が0.845〜0.855g/cm3の鉱物ホワイトオイル又はHVI 55のような油である。或いはこのような油は、Gravex 925TM(シェルから)のようなプロセス油であってよい。このプロセス油は、例えばVK 40が30〜34mm2/s(cSt)、及び/又は15℃での密度が0.88〜0.91g/cm3であってよい。或いはこのような油は、沸点範囲が315〜400℃のOndinaTM(シェルから)のような厳密に水素化処理した油であってよい。この水素化処理油は、例えばVK 40が14〜16mm2/s(cSt)、及び/又は15℃での密度が0.845〜0.86g/cm3であってよい。] [0076] 増粘性成分として使用するのに特に好適な合成潤滑油は、シェル社からShell XHVITMという名称で販売されている蝋の水素化異性化により得られる水素化異性化スラック蝋である。 増粘性成分の15℃での密度(ASTMD−4502)は、0.750〜0.980g/cm3、例えば0.750〜0.850g/cm3又は0.770〜0.820g/cm3であってよい。幾つかの場合、15℃での密度は0.800〜0.950g/cm3、更に好ましくは0.820〜0.915g/cm3であってよい。] [0077] 増粘性成分がディーゼル燃料組成物及び組成物全体に必要な特性に使用される濃度に依存して、増粘性成分は、硫黄含有量及びセタン指数のような、いかなる規格性能(anynature of specification )を持っていてもよい。例えば特定のケースでは、好適な増粘性成分の硫黄含有量は10000ppmw以下と多い(high)が、該成分による硫黄含有量の増大がディーゼル燃料組成物全体を依然としてEN−590のような所望規格の範囲内にあるように、低レベルで使用することが可能である。] [0078] したがって、増粘性成分は、硫黄をいかなる量(level)、例えば10000ppmw以下含有してもよい。増粘性成分は、25%v/vを超えるか又は30〜70%v/vのような所望量で燃料組成物に使用できる、低い又は適度に高い硫黄成分であってよく、或いは3〜30%v/vのような35%v/v未満の量で使用できる高い硫黄成分であってよい。増粘性成分は、硫黄を5000〜10000ppmw、2000〜5000ppmw、又は1000〜2000ppmw含有してよい。増粘性成分は、低又は超低硫黄成分、或いは硫黄を含有しない成分、例えば硫黄を1000ppmw以下、例えば500ppmw以下、好ましくは350ppmw以下、最も好ましくは100、50又は更には10ppmw以下含有する成分であってよい。] [0079] 増粘性成分は、1つ以上の有益な特性を有してよい。増粘性成分は、例えばディーゼル燃料組成物のセタン価を増大できる、及び/又は該燃料組成物の常温流れ特性を改良できる、及び/又は該組成物の燃焼で発生した放出物の量を低減できる、ものであってよい。増粘性成分は、組成物のパラフィン性油以外の残部よりも高いセタン価を有するパラフィン性油を含有してよい。当該技術分野で知られているように、或いは燃料組成物全体と関連して以下に説明するように、増粘性成分自体に添加剤を添加してよい。] [0080] 本発明により製造したディーゼル燃料組成物において、増粘性成分は、好適には2%v/v以上、好ましくは3%v/v以上、更に好ましくは4、5、場合によっては10、15、20、25又は30%v/v以上の濃度で使用される。増粘性成分は、95%v/v以下、好ましくは90又は80%v/v以下、例えば5又は10〜90%v/vの濃度で使用してよい。これらの濃度は、燃料組成物全体の容量を基準とする。燃料組成物に2種以上の増粘性成分の組み合わせを使用する場合、この組み合わせ全体に同じ濃度範囲を適用してよい。] [0081] 増粘性成分の使用濃度は、燃料組成物全体の所望粘度、及び増粘性成分と組成物の残部との粘度差に依存する。例えば増粘性成分は、適度に高い粘度成分であってよく、この場合は25%v/vを超える量、例えば30〜70%v/vの量で使用でき、或いは増粘性成分が高粘度成分であってよい場合は、35%v/v未満、例えば3〜30%v/vの量で使用できる。] [0082] 本発明により製造したディーゼル燃料組成物中の増粘性成分と、他のディーゼル燃料成分と、他のいずれかの成分又は添加剤との相対割合も密度、放出物性能及びセタン価、特に密度のような他の所望特性に依存してよい。] [0083] 本発明により製造したディーゼル燃料組成物は、所要成分を以下の量(容量)含有してよい。 a)ディーゼル燃料90〜95%及び高度に精製した鉱物プロセス油又は潤滑油として増粘性成分5〜10%、又は b)ディーゼル燃料 5〜50%及びXtL成分として増粘性成分 50〜95%、又は c)ディーゼル燃料 2〜50%及び増粘性成分 50〜98%(但し、増粘性成分は、高度に精製した鉱物プロセス油又は潤滑油 15〜40%とXtL成分 40〜85%との混合物である)] [0084] 本発明では前述の目的で2種以上の増粘性成分をディーゼル燃料組成物に使用してよい。] [0085] 本発明により製造した燃料組成物は、通常、該組成物に含まれるディーゼル燃料成分と一緒に導入される添加剤を含有しても含有しなくてもよい。こうして、燃料組成物は1種以上の燃料添加剤を、小割合(好ましくは1%w/w以下、更に好ましくは0.5%w/w(5000ppmw)以下、最も好ましくは0.2%w/w(2000ppmw)以下含有してよい。] [0086] 一般的に言えば、本発明に関連して、いかなる燃料成分又は燃料組成物も添加剤を含有しても含有しなくてもよい。このような添加剤は、燃料成分又は燃料組成物の製造中、種々の段階で添加してよい。例えば製油所においてベース燃料に添加される添加剤は、帯電防止剤、パイプラインドラッグレデューサー(drug reducer)、流れ改良剤(例えばエチレン/酢酸ビニル共重合体又はアクリレート/無水マレイン酸共重合体)、潤滑性強化剤、酸化防止剤及び蝋沈降防止剤から選択してよい。増粘性成分のように、その他の添加剤を製油所の下流に添加してよい。] [0087] 本発明により製造した燃料組成物は、例えば洗浄剤を含有してよい。洗浄剤とはエンジン内、特に噴射器ノズルのような燃料噴射システム中の燃焼関連付着物の堆積を除去するように、及び/又は防止するように作用できる試剤(好適には界面活性剤)を意味する。このような材料は、時には分散剤といわれる。] [0088] 燃料組成物が洗浄剤を含有する場合、洗浄剤の濃度は、燃料組成物全体に対し、活性分洗浄剤として、好ましくは20〜500ppmw、更に好ましくは40〜500ppmw、最も好ましくは40〜300ppmw、100〜300ppmw又は150〜300ppmwの範囲である。] [0089] 好適な洗浄剤の例としては、ポリオレフィン置換スクシンイミド又はポリアミンのスクシンアミド、例えばポリイソブチレンスクシンイミド又はポリイソブチレンアミンスクシンアミド;脂肪族アミン;マンニッヒ塩基又はアミン及びポリオレフィン(例えばポリイソブチレン)無水マレイン酸が含まれる。スクシンイミド分散剤は、例えばGB−A−960493、EP−A−0147240、EP−A−0482253、EP−A−0613938、EP−A−0557516及びWO−A−98/42808に記載されている。ポリオレフィン置換スクシンイミドが特に好ましい。 洗浄剤含有ディーゼル燃料添加剤は公知で市販されている。] [0090] 例えば洗浄剤と組合わせて燃料添加剤に取込んでよい他の成分としては、潤滑性強化剤、脂肪酸メチルエステル(FAME)及びアミド系添加剤;霞み(曇り)防止剤、例えばアルコキシル化フェノールホルムアルデヒド重合体;消泡剤(例えばポリエーテル変性ポリシロキサン);点火向上剤(セタン向上剤)(例えば2−エチルヘキシルナイトレート(EHN)、シクロヘキシルナイトレート、ジ−tert−ブチルパーオキシド、及びUS−A−4208190第2欄27行〜第3欄21行に開示されるもの);防錆剤(例えばテトラプロペニル琥珀酸のプロパン−1,2−ジオール半エステル、琥珀酸誘導体の多価アルコールエステル(該琥珀酸誘導体は、α−炭素原子の少なくとも1つに炭素原子数20〜500の置換又は非置換の脂肪族炭化水素基を有する。例えばポリイソブチレン置換琥珀酸のペンタエリスリトールジエステル);腐食防止剤、付香剤、摩耗防止剤、酸化防止剤(例えば2,6−ジ−tert−ブチルフェノールのようなフェノール、又はN,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミンのようなフェニレンジアミン);金属奪活剤;助燃剤;静電散逸剤(static dissipator additive);流れ改良剤;及び蝋沈降防止剤が含まれる。] [0091] 特記しない限り、燃料組成物全体中の各添加成分の濃度は、好ましくは1%W/W(10000ppmw)以下、更に好ましくは0.1、1、2又は5ppmw〜1000ppmwの範囲、有利には75〜300ppmwの範囲、例えば95〜150ppmwの範囲である。(特記しない限り、本明細書に引用した添加剤の濃度は全て、活性分の質量濃度である。)] [0092] 特に低硫黄含有量(例えば500ppmw以下)の燃料組成物の場合、燃料組成物は潤滑性強化剤を含有することが特に好ましい。潤滑性強化剤は、燃料組成物全体に対し、都合良くは1000ppmw以下、好ましくは500、300又は200ppmw以下の濃度で存在する。好適な市販の潤滑性強化剤は、エステル系及び酸系添加剤を含有する。潤滑性強化剤として存在する場合、脂肪酸メチルエステル(FAME)は0.5〜2%w/wの範囲で存在してよい。] [0093] 燃料組成物中の潤滑性強化剤の(活性分)濃度は、好ましくは0.1又は1ppmw〜20ppmw、更に好ましくは1〜15ppmw、なお更に好ましくは1〜10ppmw、有利には1〜5ppmwの範囲である。点火向上剤n濃度は、好ましくは2600、2000又は1000ppmw以下、更に好ましくは600ppmw以下、例えば300〜1500ppmw、又は300〜500ppmwである。] [0094] 所望ならば、前述のような1種以上の添加剤は、好ましくは好適な希釈剤と一緒に、添加剤濃厚物中に同時混合(co−mix)し、次いで燃料組成物を作るため、この添加剤濃厚物をディーゼルベース燃料中に分散してよい。] [0095] ディーゼル燃料添加剤は、例えば任意に前述のような他の成分と一緒に、洗浄剤及びディーゼル燃料相溶性希釈剤、例えば非極性炭化水素溶剤、例えばトルエン、キシレン、ホワイトスピリット、及びシェル社から“SHELLSOL”という商標で販売されているもの、及び/又は極性溶剤、例えばエステル又は特にアルコール、例えばヘキサノール、2−エチルヘキサノール、デカノール、イソトリデカノール及びアルコール混合物、最も好ましくは2−エチルヘキサノールを含有してよい。増粘性成分は、本発明に従ってこのような添加剤配合物に取込んでよい。 燃料組成物中の合計添加剤含有量は、好適には50〜10000ppmw、好ましくは5000ppmw未満であってよい。] [0096] 以上説明したように、ディーゼル燃料組成物の密度及び粘度を増大させた場合、ターボ過給式ディーゼルエンジンにおいて、特に低エンジン速度で加速性能が向上できることも見出された。こうして、本発明の実施態様では、ターボ過給式ディーゼルエンジン又はこのようなエンジンを動力とする車両の低速度加速性能を向上する目的で、及び/又は本発明の第一局面に関連して前述したいずれかの目的で、ディーゼル燃料組成物に増粘性成分及び密度増大性成分の両方を使用できる。] [0097] 密度増大性成分は、例えば高密度ディーゼル燃料成分、増粘性成分として使用するために前述したような油及び高密度製油所流から選択してよい。“高密度”ディーゼル燃料成分の15℃での密度(ASTMD−4052)は、通常0.835〜1.2g/cm3であってよいが、“高密度”製油所流の15℃での密度(ASTM D−4052)は、通常0.83〜0.9g/cm3であってよい。密度増大性成分として使用される油は、獣脂油のような植物油であってよい。] [0098] 一般的に言えば、密度増大性成分の15℃での密度(ASTMD−4052)は、0.83g/cm3以上、例えば0.83〜1.2g/cm3であってよい。 本発明では密度増大性成分は、ディーゼル燃料組成物に5〜80%v/vの濃度で使用できる。] [0099] こうして本発明により製造した燃料組成物は、好ましくは比較的高い密度を有し、例えば15℃(ASTMD−4052)で0.830g/cm3以上、好ましくは0.830g/cm3以上、例えば0.832〜0.860g/cm3である。この密度は、好適には、現在のEN−590ディーゼル燃料規格の上限である0.845g/cm3以下(15℃で)である。 本発明では、前述の目的でディーゼル燃料組成物に2種以上の増粘性成分を使用できる。] [0100] 本発明により製造した燃料組成物は、好適には高い発熱量を有する。これは、高密度と同様、燃料のエネルギー含有量を増大し、したがって、該燃料で操作するディーゼルエンジンの性能を向上するのに役立つ。本発明により製造した燃料組成物の発熱値(ASTMD−240)は、好ましくは36MJ/kg以上、例えば40、42又は42.5MJ/kg以上である。燃料組成物は、所望の全発熱量を達成するため、1種以上の燃料成分又は他の好適な成分を含有してよい。例えば1種以上のフィッシャー・トロプシュ誘導“BtL”(バイオマス−ツウ−リキッド)燃料成分を含有してよい。] [0101] したがって、本発明により製造した燃料組成物は、一般的に言えば、燃料組成物で操作中のエンジンからの排気エネルギーを増大するように配合することが好ましい。こうして、燃料組成物は高容量のエネルギー含有量(高密度及び/又は高発熱量)及び高粘度を有する。] [0102] 本発明の第二の局面では、高粘度ディーゼル燃料組成物が導入されるか、又は導入されるべきであるターボ過給式ディーゼルエンジン又はこのようなエンジンを動力とする車両の低エンジン速度での加速性能を増大する、即ち、向上する目的で、及び/又は本発明の第一の局面に関連して前述したいずれか1つ以上の目的で、高粘度ディーゼル燃料組成物を使用する方法が提供される。] [0103] “高粘度”は、本発明に従って低速度加速性能を向上するために増粘性成分を使用できたことを認識する前に、及び/又は増粘性成分を燃料組成物に導入する前に、他の類似のディーゼル燃料組成物の粘度と比べてよい。この高粘度は、増粘性成分をディーゼル燃料組成物に添加する前に、ターボ過給式ディーゼルエンジンに使用することを意図した(例えば市販する)他の類似のディーゼル燃料組成物と比べてよい。この高粘度は、例えばSGS世界的ディーゼル調査(Worldwide Diesel Survey)のような調査で決められた(determined)市場と同じ市場で使用することを意図した市販のディーゼル燃料組成物の平均粘度と比較してよい。こうして、本発明の第二の局面は、以前よりも、或いは従来のディーゼル燃料組成物よりも高い粘度にするため、ディーゼル燃料組成物を慎重に配合する工程を含む。] [0104] 燃料組成物の粘度は前述の範囲であってよい。例えばVK 40(ASTMD−445)は、2.7mm2/s(cSt)以上、例えば3、3.2、3.5、3.8又は4mm2/s(cSt)以上であってよい。] [0105] 燃料組成物は、本発明に従って低速度加速性能を向上するために増粘性成分と共に密度増大性成分を使用できたことを認識する前に、及び/又は密度増大性成分を燃料組成物に導入する前に、例えば他の類似のディーゼル燃料組成物の密度と比べて高密度であってもよい。この高密度は、密度増大性成分をディーゼル燃料組成物に添加する前に、ターボ過給式ディーゼルエンジンに使用することを意図した(例えば市販する)他の類似のディーゼル燃料組成物の密度と比べてよい。この高密度は、例えばSGS世界的ディーゼル調査(Worldwide Diesel Survey)のような調査で決められた(determined)市場と同じ市場で使用することを意図した他の類似のディーゼル燃料組成物の密度と比較してよい。] [0106] 燃料組成物の密度は、15℃(ASTMD−4052)で前述の範囲、例えば0.830g/cm3以上、好適には0.833又は0.840g/cm3以上であってよい。] [0107] 本発明の第二の局面に関連して、ディーゼル燃料組成物の“使用”は、燃料組成物を、性能を向上すべきターボ過給式ディーゼルエンジン及び/又はこのようなエンジンを動力とする車両の燃料タンクに導入することを意味する。この使用は、通常、燃料組成物をエンジンの燃焼室に導入することを含む。また、通常、燃料組成物でエンジンを操作することを含む。] [0108] 本発明の第三の局面は、第一局面の組成物のようなディーゼル燃料組成物の製造方法を提供する。この方法は、増粘性成分を1種以上のディーゼル燃料成分及び任意に1種以上のディーゼル燃料添加剤及び更に任意に密度増大性成分とブレンドする工程を含む。このブレンドは、本発明の第一及び第二の局面に関連して前述した1つ以上の目的で行ってよい。] [0109] 第四の局面では本発明は、ターボ過給式ディーゼルエンジン及び/又はこのようなエンジンを動力とする車両を操作する方法を提供する。この方法は、本発明の第一〜第三局面のいずれか1つで特定した目的で該エンジンに増粘性成分含有ディーゼル燃料組成物を導入する工程を含む。この方法は、エンジンの低速度加速性能の向上を達成する観点で、及び/又は本発明の第一局面と関連して前述したいずれか1つ以上の他の目的で行ってよい。] [0110] 本明細書の説明及び特許請求の範囲を通じて語句“含む(又は含有する)(comprise)”及び“含有する(又は有する)(contain)”及び語句の変化、例えば“含むこと(comprising)”及び“含む(comprise)”は、“限定されるものではないが、‥‥を含むこと(including but not limited to)”を意味し、他の部分(moieties)、添加剤、成分、整数(integer)又は工程を除外しない。] [0111] 本明細書の説明及び特許請求の範囲を通じて、特に状況(context)が要求しない限り、単数は複数を包含する。特に不定冠詞(the indefinite article)を用いる場合、特に状況が要求しない限り、単数は勿論、複数も考慮すると理解すべきである。 本発明の各局面の好ましい特徴は、他の局面のいずれかと関連して説明したとおりであってよい。] [0112] 本発明の他の特徴は、以下の実施例から明らかとなろう。一般的に言えば、本発明は明細書(添付の特許請求の範囲及び図面を含む)に開示した複数の特徴のいずれかの新規な特徴、又はいずれかの新規な組み合わせに拡がる。こうして、本発明の特定の特徴、実施態様又は実施例と関連して説明した特徴、整数、特性、化合物、化学部分又は基は、これらと両立する限り、ここに記載したいずれの他の局面、実施態様又は実施例にも利用可能であると理解すべきである。] [0113] 更に特に言及しない限り、ここに開示したいずれの特徴も同じ又は類似の目的に役立つ代りの特徴で置き換えてよい。 以下の実施例は、本発明により製造したディーゼル燃料組成物の特性を説明し、ターボ過給式ディーゼルエンジンの性能に対する効果を評価する。] [0114] 実施例1 これらの実験で或る範囲のエンジン速度に亘ってターボ過給式ディーゼルエンジンの加速性能に対する燃料の粘度及び密度の効果を調査し、こうして本発明をどのように使用して、低速度性能を向上できたかを示す。] [0115] 3種の燃料組成物を試験した。燃料Aは、EN−590基準で要求される最小粘度及び密度(それぞれ40℃で2.0mm2/s(cSt)、15℃で0.820g/cm3)を有するように配合した。燃料Bは、最小EN−590密度であるが、最大EN−590粘度(40℃で4.5mm2/s(cSt))を有するように配合した。燃料Cは、最大EN−590密度(15℃で0.845g/cm3)及び最大EN−590粘度を有する。したがって、燃料A及びCは粘度及び密度について2つの極限を示すが、燃料Bは、粘度及び密度の効果を切り離すために、試験した。] [0116] これらの規格を達成するため、3種の燃料を次のように配合した。 燃料A:スウェーデンクラス1ディーゼルベース燃料(Shellから;密度=0.811g/cm3、VK 40=1.95mm2/s(cSt))41.2リットルを、XHVI 5.2(エキストラ高粘度指数基油;Shellから;密度=0.81g/cm3、VK 40(通常)=4.8mm2/s(cSt))25.8リットル、ShellsolTMA(Shellから;密度=0.875g/cm3、VK 40(通常)=0.76mm2/s(cSt))13.0リットル及びParadyneTM655潤滑剤(Paraminsから)16.4gとブレンドした。] [0117] 燃料B:HVI 115(鉱物誘導高粘度指数基油;Shellから;密度=0.875g/cm3、VK 40(通常)=3.4mm2/s(cSt))37.6リットルを、XHVI 5.2=29.1リットル、OndinaTMEL(Shellから;密度=0.85g/cm3、VK 40=15.5mm2/s(cSt))4.7リットル、硫黄を含有しないディーゼルベース燃料(Shellから;密度=0.839g/cm3、VK 40=2.92mm2/s(cSt))4.4リットル、JetTMA1(ケロシンジェット燃料;Shellから;密度=0.797g/cm3、VK 40=1.11mm2/s(cSt))4.2リットル及びParadyneTM655=16.4gとブレンドした。] [0118] 燃料C:燃料Bで使用した硫黄を含有しないディーゼルベース燃料63.2リットルを、RisellaTMEL(鉱油;Shellから;密度=0.822g/cm3、VK 40=13.6mm2/s(cSt))12.7リットル、OndinaTMEL 4.1リットル及びParadyneTM655=16.4gとブレンドした。 これら3種の燃料の特性を下記表1にまとめた。] [0119] ] [0120] この試験では異なる種類のターボ過給式圧縮点火(ディーゼル)エンジンへの本発明の使用法及び異なるエンジン管理システム(EMS)による本発明の使用法を示すため、2種の車両を使用した。これら2種の車両の重要特性を下記表2にまとめた。] [0121] ] [0122] 車両の組立て手順は次の通りである。試験する前に、試験車両の全てについて安全性をチェックした。外部源から燃料を補給すると共に、燃料を容易に交換できるように、全ての車両に燃料ラインを取付けた。 車両選択法の一部として、装入空気圧、噴射容量、コモンレール圧、噴射時期及びエンジン速度が全て、車載診断(on-boad diagnostic)(OBD)器具を用いてエンジン管理システム(EMS)から確実に記録できるように、チェックを行った。] [0123] VauxhallTMVectraTMの場合、全てのEMSパラメーターはメーカーのEMS器具(Tech−2)を用いて利用できた。トヨタTMAvensisTMの場合、全てのパラメーターが利用できるにも拘らず、十分な記録解像力を与えるには、メーカーのEMS器具(トヨタTM/デンソーTMインテリジェントテスター)を用いて記録される4つのパラメーターしか同時に記録できなかった。このように更に制限されたEMS記録処理能力(capacity)のため、トヨタTMエンジンについては試験順序(sequence)に特定の変化を行なう必要があった。特に出力操作(run)は、噴射時期について、第二の操作中に記録させるため、2回(in duplicate)行った。] [0124] 各車両についてのエンジン試験手順は、次の通りである。車両を選択された開始速度まで駆動させ、所望のギアに配置した。次いで、ワイドオープンスロットル(WOT)を適用し、8分間の安定化を行った(run)。ロール速度の制御を行うのに使用されるポータブル動力計に対して許容されたこの安定化は、動力計上に突然、車両が負荷することにより、低速度ゲートの初期の少しの行き過ぎ(overshoot)として、WOTを適用する点で起こる。] [0125] 安定化時間後、手順の測定部分が始まった。出力曲線測定は、低速度設定点(通常の低エンジン速度に合わせて40km/h)から高速度設定点(通常の高エンジン速度に合わせて140km/h)まで所定時間(18秒)内に一定の加速速度で動力計の駆動を伴った。試験中、車両のアクセルペダルは、100%に保持し、動力計は、エンジン速度範囲内で加速したので、車両により生成した出力を吸収した。ロールでの出力は、出力曲線中に高取得速度(〜50Hz)で記録された。] [0126] 試験順序は、各車両中で単一日間に亘って各燃料を4回試験するように計画した。これは、毎日、真中に自然の小休止(break)を持って、無作為の12燃料毋材を与えた。 毎日の試験順序=ABCBCA−CABABC この燃料試験順序を用いて、下記表3の実験計画に従って試験を終了した。] [0127] ] [0128] 18秒の加速時間中に得られた結果を下記表4〜9に示す。これらの表中、 ・表4及び5は、エンジンの出力(power output)及びトルクが3種の燃料A、B及びCの各場合、トヨタTMエンジン及びVauxhallTMエンジンのそれぞれに対し、エンジン速度によりどのように変化したかを示す。 ・表6及び7は、装入空気圧(増幅圧)が同じく3種の燃料A、B及びCの各場合、トヨタTMエンジン及びVauxhallTMエンジンのそれぞれに対し、エンジン速度によりどのように変化したかを示す。 ・表8及び9は、燃料噴射容量/量が同じく3種の燃料A、B及びCの各場合、トヨタTMエンジン及びVauxhallTMエンジンのそれぞれに対し、エンジン速度によりどのように変化したかを示す。] [0129] ] [0130] ] [0131] ] [0132] ] [0133] ] [0134] ] [0135] EMSデータは、適切なOEM(本来の機器メーカー)OBD通信器具(communication tool)を用いて記録されたことに注目。したがって、使用したセンサーの精度及びしたがって測定の信頼性は未知である。特に、噴射容量は、噴射パルス幅、算出した噴射器流量及び推定燃料特性から推測される。したがって、これらは噴射量の定量には使用できないが、燃料噴射容量の指導的(directional)傾向を確認する手助けになり得る。] [0136] VauxhallTMエンジンのEMSを調べるために使用したTech II器具は、該器具の比較的高い記録(logging)速度(〜20Hz)にも拘らず、全ての試験操作中、支障期間(periodsof hang up)を受けたことにも注目。こうして、トヨタTM試験では、平均データ値は各燃料について終了した全ての試験操作から得られたが、VauxhallTMの場合は、不完全なデータセットを平均化するのは誤解を招きやすいことを証明できたので、EMS動作の一層良好な視覚的指示を与えるように、全て終了した試験操作についてVauxhallTMデータが表示される。] [0137] 表4〜9のデータは、燃料の種類によりエンジン性能に明確な差があることを示す。例えば出力測定については、2種の高粘度燃料B及びCでは、一層慣用的な燃料Aに比べて、加速期間中、性能上の利得があることは明らかである。この利得は、低エンジン速度で特に顕著で、燃料Aを使用した場合よりも、燃料B及びCで操作した場合の方が、低エンジン速度でエンジンが最大出力(及びトルク)に達することが見られる。] [0138] 装入空気圧の利点も低粘度燃料Aに比べて燃料B及びCにより明らかである。トヨタTMエンジンでは、この利点は出力曲線中に存在するが、VauxhallTMの場合は、圧力差は、いったん装入空気の規制が始まる(即ち、高エンジン速度で)と、なくなるものと思われる。しかし、両エンジンとも、圧力の初期ピークは、これら2種の高粘度燃料を使用した場合、低エンジン速度で起こる。] [0139] 燃料B及びCを用いた場合には、噴射容量の増大も現れる。この増大は、トヨタTMエンジンでは、全エンジン速度範囲に亘って現れ、VauxhallTMでは装入空気の規制開始まで現れる。] [0140] 2種の高粘度燃料のうち、高密度燃料Cは、一般に特に低速度では、更に大きな性能上の利得を与えるものと思われる。] [0141] 異なる製造元(make)のエンジン及び異なる種類のエンジン管理システムが含まれるという事実にも拘らず、試験したエンジンの両方とも同じ効果が観察される。] [0142] これら性能上の利得を定量するため、出力曲線を2つの明確な部分に分割できる。まず、出力曲線の出発点から装入空気圧の規制が現れた時点までを低速度範囲として定義する。規制点は、増幅圧の増大が止まる第一点として定義する。以上の試験中に生じたデータから集めた増幅分布は、燃料B及びCを使用した場合よりも、低粘度で低密度の燃料Aを用いた場合の方が、空気圧規制が遅く(即ち、高エンジン速度で)起こることを示す。第二の高速度範囲は、増幅規制の開始点から出力曲線の終点までとして定義する。] [0143] したがって、低速度範囲及び高速度範囲は、次のデータ分析と共に援助するため、両試験車両及び各燃料について前記集めたデータを用いて定義される。これらの範囲をトヨタTM及びVauxhallTMの両エンジンについて、それぞれ表10、11に示す。] [0144] ] [0145] ] [0146] 次に各エンジンの平均出力発生を、前述のように集めたデータを用い、前記2つの各速度範囲に亘って、3種の試験燃料について測定した。これらの結果を下記表12〜15に示す。これらの表中、表12はトヨタTMエンジンについての低速度出力データを含み、表13はトヨタTMエンジンについての高速度出力データを含み、表14及び15は、VauxhallTMエンジンの低速度データ及び高速度データをそれぞれ含む。] [0147] ] [0148] ] [0149] ] [0150] *(実験4のBは、試験中、再生事象(event)に入るEMSのため、分析に含まれなかった)] [0151] 表12及び14は、個々の実験間のばらつきから生じる両燃料A及びBについての大きなエラーバー(error bar)にも拘らず、燃料B及びCを用いた場合、低速度範囲では出力発生において明確な利点を示す。] [0152] 表13及び15に見られるように、出力発生の利点は、燃料B及びCにより高速度範囲でも得られる。高速度区画中の利得の余地(margin)は、出力曲線の低速度領域の余地よりも若干大きい。] [0153] 上記試験中に記録された他のデータは、(a)3種の全ての燃料に対し、全速度範囲に亘って広範に類似の平均コモンレール圧分布、及び(b)3種の試験燃料間に噴射時期の差がないことを示した。] [0154] 上記試験において、トヨタTMエンジンでは、エンジン速度範囲に亘ってVauxhallTMエンジンよりも大きい性能上の利得が観察された。低速度範囲では、高密度高粘度燃料により存在する高い排気エネルギーは、ターボ過給器速度を増大し、こうして両車両に高い装入空気圧をもたらす。EMSは、この利点を認識し、噴射燃料量が増大される。その結果、低エンジン速度でピークトルクに達する。高速度範囲のVauxhallTMでは、装入空気圧は、VGT(可変幾何タービン)の適切な調節によるBoschTMEMSで制御され、燃料間の増幅差を除去する。次いで、この装入空気圧は、低速度範囲で見られる圧力差を除去する。同様に、噴射燃料量の利点は、VauxhallTMエンジンでは高速度範囲でも除去される。これに対し、トヨタTMエンジンでは、高密度及び/又は高粘度燃料により高速度でも低速度でも高い装入空気圧が維持される。その結果、この車では、全範囲に亘って高い装入空気圧が維持されると共に、得られる平均出力利得はVauxhallTMよりも大きい。] [0155] しかし、現代のEMSシステムの複雑さ(sophistication)のレベルを考慮すると、燃料特性の変化に応答して加速性能の利得を非常に顕著であると見るのは意外である。この利得が少なくとも低エンジン速度範囲で異なる種類及び作りのエンジン、特にエンジン管理システムにおいて観察されるのも意外である。] [0156] これらの試験で示された性能上の利得は、速い全負荷加速として、使用中に表明されそうである。換言すれば、エンジンの運転者は、全負荷加速下でいわゆる“吊上げ”利得を受けるべきである。特に、高密度燃料の場合、この効果は、多量の(higher)噴射質量によりエンジンの速度範囲に亘って非常に適切であるが、本発明により低エンジン速度では一層早くピークトルクに達するので、低速度、特にピークトルク値付近(通常、約2000rpm)ではこの効果は強調されそうである。] [0157] 前述のように、本発明による効果は、以下の機構によるものであってよい。高粘度、好適にはまた高密度の燃料は、燃料噴射質量を増大させ、次いで排気エネルギーを増大させる。このエネルギーは、ターボ過給器により利用され、過給器は低エンジン速度で高装入空気圧を配送する。装入空気圧の増大はEMSにより認識され、EMSは、余分な装入空気を利用するように、(パルス幅経由で)燃料噴射容量を増大させ、こうして出力をなお更に増大させる。その結果、強化されたターボ過給器性能によりピークエンジントルクは低エンジン速度で到達できる。] [0158] 以上述べた効果と同様な効果、即ち、燃料の粘度増大による低速度加速性能の向上は、下記実施例2及び3に記載のものを含む他のターボ過給式ディーゼルエンジンに対する試験でも観察された。] [0159] 燃料Aと比較した燃料B及びCで明らかな出力の利得は、平均出力データに対し線状回帰分析を用いて燃料の密度及び粘度に関連付けることができる。この分析の概要を以下に示す。] [0160] まずトヨタTMエンジンについては、単に高速度範囲のデータ(ここの性能は、ほんの(less)一時的なので)だけで判断し、下記表16に、分析に使用したデータを示す。] [0161] トヨタTM高速度範囲出力データの線状回帰分析から、下記表17に示す結果が得られた。] [0162] ] [0163] このように、87.1%の信頼度(P=0.129)で密度に関連する回帰係数20.05、及び99.9%の信頼度(P=0.001)で粘度についての回帰係数0.675が得られた。この分析は、燃料の粘度増大で著しい(significant)出力利得(95%の信頼度)が生じることを示す。] [0164] 前記係数を絶対条件(absolute terms)で定量するため、燃料粘度の1mm2/s(cSt)増大は、試験したトヨタTMエンジンでは約0.68kWの出力増大となる。燃料密度の10kg/m3(0.010g/cm3)の増大は、0.2kWの出力増大となる。 VauxhallTMエンジンについても、単に高速度範囲のデータだけで判断し、下記表18に、分析に使用したデータを示す。] [0165] ] [0166] *(試験B4については、実際の値は回帰分析を完了するために必要としたので、試験B1、B2及びB3の平均として誘導される。試験中、EMSが再生事項に入ったので、試験B4では実際には真の値は記録されなかった。) VauxhallTM高速度出力データについての線状回帰分析から、表19に示す結果が得られた。] [0167] ] [0168] このように、91.8%の信頼度(P=0.082)で密度に関連する回帰係数17.60、及び99.9%の信頼度(P=0.001)で粘度についての回帰係数0.505が得られた。この分析は、燃料の粘度増大で著しい出力利得(95%の信頼度)が生じることを示す。] [0169] 前記係数を絶対条件で定量するため、燃料粘度の1mm2/s(cSt)増大は、VauxhallTMエンジンでは約0.51kWの出力増大となる。燃料密度の10kg/m3(0.010g/cm3)の増大は、0.18kWの出力増大となる。] [0170] 燃料の粘度及び密度に対する車両応答の類似性のため、2種の車両に対して組み合わせの回帰分析を行うのが適切である。組み合わせ回帰分析の結果、粘度についての回帰係数0.60kW/(mm2/s)(kW/cSt)及び密度についての回帰係数19kW/(g/cm3)が得られる。両回帰係数とも95%を超える信頼度で十分顕著である。] [0171] 実施例2 ターボ過給ユニット噴射器ディーゼルエンジン及びBoschTMEMSを備えたAudiTM車に対し、実施例1と類似の実験を行った。 2種の燃料組成物:燃料D及びEを試験した。燃料Dは、EN−590ディーゼル燃料規格の下端にそれぞれ規定された40℃での粘度(ASTMD−445)2.0mm2/s(cSt)及び15℃での密度(ASTM D−4052)0.821g/cm3を有し、燃料Dは、EN−590ディーゼル燃料規格の下端にそれぞれ規定された40℃での粘度4.0mm2/s(cSt)及び15℃での密度0.845g/cm3を有する。これらの組成物は下記のように配合したものである。] [0172] 燃料D:スウェーデンクラス1ディーゼルベース燃料(Shellから;密度=0.811g/cm3、VK 40=1.95mm2/s(cSt))308.8リットルを、XHVI 5.2=193.8リットル、ShellSolTMA(Shellから)97.4リットル及びParadyneTM655=123.2gとブレンドした。] [0173] 燃料E:硫黄を含有しないディーゼルベース燃料(Shellから;密度=0.832g/cm3、VK 40=2.86mm2/s(cSt))159.7リットルを、XHVI 5.2=169.8リットル、フィッシャー・トロプシュ誘導(GtL)ディーゼル燃料(Shellから;密度=0.7846g/cm3、VK 40=3.497mm2/s(cSt))19.6リットルHVI 115=225.6リットル、OndinaTMEL(Shellから)25.0リットル及びParadyneTM655=126.3gとブレンドした。] [0174] ポータブル台車動力計を用いて加速性能を測定すると共に、定常状態の全負荷条件で2000、2600及び3300rpmでの出力を測定した。エンジン速度、噴射量、噴射時期、質量空気流、周囲圧力及び増幅圧力を記録するため、VAGCOMTMソフトウエア(Volkswagen AGから)を用いた(VAGCOMTM表示:測定用ブロック1、4及び10)。] [0175] 以上の結果を下記表20及び21に示す。これらの表のうち、表20は、両燃料について、燃料噴射量及びターボ増幅圧がエンジン速度によりどのように変化したかを示し、また表21は、エンジントルク及び出力がエンジン速度によりどのように変化したかを示す。] [0176] ] [0177] ] [0178] これらのデータは、また高粘度高密度燃料Eの使用による明確な性能利得を示す。これら2種の燃料間の差は低エンジン速度で特に顕著である。ピークトルク及びターボ増幅圧は、燃料Eを用いた場合、低エンジン速度で到達した。噴射量も燃料Eを用いた場合、増幅規制(これは燃料Eを用いた場合(約1800rpm)、燃料D(約1950rpm)に比べて低エンジン速度で起こる)が始まるまでの低速度範囲に亘って著しく多かった。] [0179] 実施例3 実施例1と類似の実験を、別のターボ過給式車両に対して行った。 a)回転式分配ポンプBoschTM噴射システムを備えたVolkswagenTMPassatTM2.5 V6 TDI(2004年に最初に登録); b)コモンレールディーゼルエンジン及びBoschTMEMSを備えたGMTMCorsaTM1.3CDTI(2005年に最初に登録);及び c)コモンレールディーゼルエンジン及びBoschTMEMSを備えたBMWTM320D SE(2004年に最初に登録)。] [0180] 2種の試験燃料を用いた。燃料F(低出力)は40℃での粘度(ASTMD−445)が1.473mm2/s(cSt)、15℃での密度(ASTM D−4052)が0.8222g/cm3、また低発熱量(ASTM D−240)が42.73MJ/kgである。燃料G(高出力)は、40℃での粘度が4.527mm2/s(cSt)、15℃での密度が0.8413g/cm3、また低発熱量が43.07MJ/kgである。これらの組成物は下記のように配合したものである。] [0181] 燃料F:ShellSolTMA=57.9リットルを、ケロシン(Shellから;密度=0.799g/cm3、VK 40=1.14mm2/s(cSt))435.8リットル及びRisellaTMEL(鉱油;Shellから;密度=0.822g/cm3、VK 40=13.6mm2/s(cSt))106.3リットルとブレンドした。] [0182] 燃料G:無臭のケロシン(Shellから;密度=0.788g/cm3、VK 40=1.1mm2/s(cSt))166.6リットルを、XHVI 5.2=21.5リットル、高沸点ディーゼルベース燃料(Shellから;密度=0.835g/cm3、VK 40=4.01mm2/s(cSt))126.8リットル及びRisellaTMEL=285.8リットルとブレンドした。] [0183] 下記表22は、試験した各車両について、燃料Gを燃料Fと比べて用いた場合の出力利得%及び増幅圧増大%を示す。] [0184] ] [0185] 試験した他のエンジンについては、高粘度高密度燃料Gは、低エンジン速度で加速性能を顕著に向上することが見出された。実施例1で試験したVauxhallTMエンジンについて、これら2種の試験燃料間の差は、仮に高エンジン速度で注目できるとしても、全体として少なかった。] [0186] 低エンジン速度では、高粘度高密度の試験燃料は、低粘度低密度燃料を用いた場合よりも高増幅圧及び一層早い最大増幅圧が生じた。] [0187] BMWTMエンジンについては、例えばエンジン速度=約1300rpmと1700rpm間でこれら2種の燃料間の出力差は急速に増大し、約1700rpmでは約3%以上になった。これは、前述のように立ち上げ(ramp-up)制御不能にさせたターボ過給器からの正のフィードバックによるらしい。この速度範囲では、増幅圧は高粘度高密度燃料Gにより著しく高かった。高速度では、EMSにより増幅圧は一層緻密に制御されるようになったので、これらの差はなくなった。同様な傾向は試験した全てのエンジンに観察された。] 実施例 [0188] 他の或る範囲の車両を用いて類似の実験を行ったところ、同様な効果が観察された。即ち、高粘度高密度燃料は、少なくともEMSの装入空気圧規制が始まる時点まで低エンジン速度で加速性能を著しく向上した。試験したエンジンとしては、BoschTM、DelphiTM、デンソーTM又はフィアット(Fiat)TMのエンジン管理システムのいずれかを備えたターボ過給式EUI、コモンレール及び回転分布ポンプディーゼルエンジンが含まれていた。試験車両としては、フォルクスワーゲン(Volkswagen)TM、トヨタTM、フォード(Ford)TM、ルノー(Renault)TM、GMTM、ホンダTM、メルセデス(Mercedes)TM、BMWTM、フィアット(Fiat)TM、プジョー(Peugeot)TM及びアウディ(Audi)TM製が含まれていた。] 先行技術 [0189] WO−A−2005/054411 GB−B−2077289 EP−A−0147873 EP−A−0583836 US−A−4125566 US−A−4478955 GB−A−960493 EP−A−0147240 EP−A−0482253 EP−A−0613938 EP−A−0557516 WO−A−98/42808]
权利要求:
請求項1 ディーゼル燃料組成物が導入されるか、又は導入されるべきであるターボ過給式ディーゼルエンジン又はこのようなエンジンを動力とする車両の低エンジン速度での加速性能を向上する目的で、ディーゼル燃料組成物に増粘性成分を使用する方法。 請求項2 低エンジン速度で加速した際、ターボ過給器がその最大速度に達した時点のエンジン速度を低下させる目的であるか、或いはターボ過給器がその最大速度に達するのにかかる時間を短縮する目的である請求項1に記載の使用方法。 請求項3 前記低エンジン速度が2200rpm以下である請求項1又は2に記載の使用方法。 請求項4 他の原因により、前記エンジンの加速性能の劣化を少なくとも或る程度まで緩和する目的である請求項1〜3のいずれか1項に記載の使用方法。 請求項5 前記ディーゼル燃料組成物に使用した増粘性成分を含む該ディーゼル燃料組成物の40℃での動粘度(VK40)が、2.8mm2/s(cSt)以上である請求項1〜4のいずれか1項に記載の使用方法。 請求項6 前記増粘性成分が、フィッシャー・トロプシュ誘導燃料成分、油、脂肪酸アルキルエステル及びそれらの組み合わせから選ばれる請求項1〜5のいずれか1項に記載の使用方法。 請求項7 前記油がフィッシャー・トロプシュ誘導油である請求項6に記載の使用方法。 請求項8 前記ディーゼル燃料組成物に、前記増粘性成分と共に、密度増大性成分が使用される請求項1〜7のいずれか1項に記載の使用方法。 請求項9 請求項1〜8のいずれか1項に記載の目的でターボ過給式ディーゼルエンジンに増粘性成分含有ディーゼル燃料組成物を導入する工程を含むターボ過給式ディーゼルエンジン及び/又はこのようなエンジンを動力とする車両の操作方法。
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